「なんのことでしょう? まぁ、力の制御って大変だよねー?」

ちょっとそっぽ向いて私が言うと、ジェラルドは乾いた笑いとともに言った。

「だから、ですかね。聖獣様のおかげか、ユウ様の魔力は大きくはなっても、安定していますよ」

ジェラルドさんも魔法騎士だから、それなりに魔法に関しては分かっている。

「ユウ様の魔法は規格外ですからね。聖獣様が側におられるくらいがちょうどいいですよ」

その言葉に、メルバが返事をした。

「お主、ユウをよく分かっているのぅ。此度の戦でユウの近くにあるならば、よろしく頼むのぅ」

まるで、親のような口ぶりなのも仕方ない。

なにしろ、聖獣は精霊王と同じくこの世界ができたその時から存在していると言うのだから。

私なんて、メルバから見ればヒヨコどころかタマゴのレベルだろう。

だから、この辺りの発言は好きにさせることにした。

「聖獣様、もちろん側におります時には、必ずやユウ様をお守りします」

騎士のピシッとした礼で返事を返されて、メルバは満足そうに頷いて尻尾を振っていた。