「ジェラルドさん、ここの復旧はどう? 少しは落ち着いたのかしら?」

そんな私の問いに、イヤイヤと首を振って突っ込んできた。

「そりゃ多少は進みましたが、ってそうじゃなくって! この子はどうしたんです!」

メルバを指して聞いてきたのだが、全く無関心なメルバに変わって言った。

「あの時の通過した森で出会った子猫、あの子聖獣だったのよ。最近この姿になったの。風の聖獣メルバだよ」

さらっとした説明にジェラルドさんがガックリと肩を落とすと、私もヒョイッと肩を竦めた。

「だって、どうあろうとも、メルバはメルバで私の家族なんだもの」

そんな私の言葉には満足そうに、尻尾を揺らしている。

メルバは結構、喜怒哀楽が分かりやすい。

表情も去ることながら、尻尾の動きはとっても素直で感情豊かだからね。

「ユウ様は、救世主以前にその思考も力の使い方も変則的でしたね……」

それは、雷落として地面をえぐったことを言ってるのかな?

それとも勢いつけすぎて、岩と巨木を砕いたことを言ってるのかな?