今回の召集令状の意味合いは、なんとなく察しているけれど。

私を見かけると皆ハッとした顔をするから、謁見の間に着く頃には予測は確信に変わってしまった。

謁見の間に入ると元気になった王太子様、国王陛下と王妃様に王女様、その後ろに警備でクリストフさんにベイルさん。

宰相のベイルさんのお兄さんも居た。

ここに入ったのは私一人。

謁見の間で前回と同じ位置に止まり、淑女の礼を取る。

すると、直ぐに陛下から声がかかった。

「顔を上げよ。此度は礼が遅くなり、申し訳ない。先日は王太子をよくぞ救ってくださった。どうも、ありがとう」

言葉と共に頭を下げられて、私がギョッとしてしまう。

「頭をお上げください、陛下。私は、私に出来る最善のことをしたまでです」

私の言葉に深く頷くと、陛下は腰を落ち着け指示を出すと私の背後にも椅子が用意された。

どうやら話は長くなるようで、陛下にも告げられた。

「此度は、話すことが多い。黒の乙女、いや癒し姫の方が今は通りが良いな。癒し姫、ユウ様もお座り下さい」

促され、私は準備された椅子に腰掛けた。

座ると、少しの間をもって陛下が話し始めた。

「此度、西のアビエダと東のシェーナの二カ国が同時に戦を仕掛ける宣誓書が送られてきた。西の砦にて、一週間後に開戦だ。そこで癒しの姫たるユウ様には、この戦の砦へと行っていただきたいのだ」