……気付けば放課後



「また明日な。椎名」


「うん、またね」


私と誠也は、下校は別々


誠也はサッカー部に入っているから


毎日ボールに触れておかないと下手になるんだって


サッカーをする誠也はほんとにイキイキしていて、見てるだけで元気になれる


「そろそろ帰ろっかな……」


教室を出た時だった


「あんた、大人しくしててね?こっちはなんでも出来るんだから」



いきなり腕を左右にガシッと捕まれ、歩かされた



え、待って、このパターンは初めてだよ


どうしよう


まあでもいっか、どうせ悪口言われるだけだし



そう思っていた私はまだ爪が甘かった



……ガチャッ


屋上に連れてこられ、正座させられる



1人のリーダー気取りの女子が私を見下してきた



「あんた、誠也様に近付いて何がしたいのよ?抜け駆けは誰だろうと許さないわよ?」



「……抜け駆け?私はそんなつもりじゃ…」



「誠也様はみんなのもの!あなたが勝手に持っていいものじゃない!勝手に宝を独り占めしないで!」



大声で怒鳴られ、耳が痛い


でも両腕を拘束されてて塞げない……


それにしても……



「誠也はものじゃない!宝なんかじゃない!1人の人間だよっ……!」



私も張り合うように大声を出せば、彼女の神経を逆撫でしたようだった……



……パシンッ!