「あ、学校着いた。またな」
校門に着くと、彼はサッサと友達の方へと言ってしまう
それを寂しがるのは自分勝手すぎるけど、やっぱり寂しいな
付き合ってるわけでもないのにね
ゆっくり教室に向かっていると、いきなり後ろから何かが抱きついてきた
「わっ…」
思わず重心が前にいき、倒れる、と思ったのも束の間
「おっと、大丈夫?」
誰かが支えてくれた
「ありがとうござ……」
慌てて顔を上げてお礼を言おうとしたら顔見知りの人で思わず言葉を飲み込む
「彩ちゃんじゃん、久しぶり!」
「松本くん、久しぶり。優奈とはどう?」
「うん、毎日優奈が甘えてきてね、もう俺どうにかなっちゃ……」
今度は松本くんが言葉を飲み込む
「ん?どうしたの?」
聞けば、松本くんは私の後ろを指さした
「ん?後ろ?」
振り向けば、そこにはポカンとした顔の優奈
もう一度松本くんを見れば、いつの間にか真っ赤な茹でたこ状態になっていた
「ゆ、優奈まさか今の聞いて…」
「うん、碧がいつも照れてた事も理性がどうにかなりそうな事もぜーんぶ聞いてましたよぉ〜」
「なっ…」
手に取るように分かる上下関係
「まったく優奈は小悪魔だね〜」
「ほんとほんと」
私の言葉に相槌をうつ松本くん
「ねぇ碧……」