男が殴り掛かるのをのを、もう2人の男が止めていた


「邪魔すんなよお前ら」


「足音がすんだよ」


「誰か来る。1回隠れようぜ」


そうして資料室の奥へと連れ込まれた


私今度こそ……殴られるのかな



心の中で呼んでみる、好きな人の名前


来るわけないけど


少しでも自分の心を励ましたかった


こういうとこがダメなのかな…私



いつまでも……誠也に頼ってるからダメなのかな……



自分から……行動しなくちゃ…


「あの…離してください」


情けないぐらいに震えてしまったけど、なんとか言い切った



「あ゛?離すわけねーだろ。まだ何もしてねぇし」


余計に強く握られてしまった私の腕


「いったっ……」


女子たちを甘く見すぎてたのかな……


きっとバツが当たったんだ



資料室は使われていないせいか、真っ暗で不気味


ホコリも多くて、なんか息苦しい


早く出たい


誠也に会いたい


優奈にも、松本くんにも



会って、笑顔を向けて欲しいな



「もういい加減来ねぇだろ?!さっさと始めようぜ」



1人の男子が痺れを切らしたのか、怒鳴り始めた



「そうだな」


そう残りの男子たちが言って、今度こそ拳を振り上げられる



痛くありませんように……そう願うしかなかった