「えっ彩?私も行く!」


「いいよ、大丈夫。松本くんとラブラブしてくださいな」


少しおちゃらけて言うと、真っ赤になった


……可愛いんだから、まったく


「……何にしよっかなぁ…」


私が迷ってるのはイチゴオレかバナナオレ



“お前甘党なんだな〜。俺はダントツコーヒー”


“コーヒーなんて苦いだけじゃん!”



「……」


勝手に動いた、私の指


そしてそれが押したのは、砂糖なしのブラックコーヒー



「……なんでこれにしたんだろ…」



何故か頭の中に浮かんだ誠也の顔


大好物のイチゴオレを飲んでもらったら、いかにも美味しくないですって顔をして飲んでた



「……苦っ…」


予想以上の苦さに思わず顔が歪んだ


こんなの飲んでるなんて、誠也は大人だね



苦いのは嫌いなのにどうしてだろう



「なんか…美味しく感じちゃうよ…」


結局その場で飲みきってしまったコーヒー


また今度飲んでみようかな…


優奈たちの所へ戻ろうと思った時、いきなり肩をトントンと叩かれた



振り向けば、知らない男子たち



「やっぱアンタだよねー?風間と仲良いやつ」



チャラ男っていうのがすぐ分かるような見た目だ



「そうですけど……」


「俺の彼女が風間と仲良しの女潰してこいって言うもんだからさ〜ちょっといいかな?」



「……え」


「じゃ、誰もいないとこ行こっかー」


そう言われて乱暴に掴まれた腕


「痛っ…やめっ…!」



引っ張られて連れてこられたのはもう使われていない資料室



「ちょーっと痛いかもだけど、我慢してね」


1人の男が拳を固め、私の顔目掛けて殴ってくる


絶対痛いやつじゃん


反射的に目をつぶるけど、痛みは襲ってこなかった


恐る恐る目を開けると……