それから休み時間の度、毎回私の机にやってくる優奈と松本くん



そんなに心配しなくても大丈夫なのに……



でも、2人がいると心がフワフワする



これってやっぱり安心感なのかな……


「2人とも…ありがとね。ちょっと過保護すぎだけど」



そう言ってみたら、優奈はクシャッと笑って、松本くんは優しく微笑んだ



「いつでも頼ってね。辛くなったら、私が風間くんの代わりになってみせる!」



ガッツポーズをする優奈に思わず笑ってしまう



私は幸せ者だ、こんなに優しい友達を持って



なのに、好きな人と両想いになりたいだなんて……私は欲張り過ぎる



「…欲張りだなんて、思わなくていいんだよ」


不意に松本くんの声が聞こえた



「…え?」



「自分は欲張りだなんて、思わなくていいんだ。今彩ちゃんがすることは1つ。自分の気持ちに素直になることだよ」


ニッコリと微笑んでそう言ってくれた松本くん



「どうせ松本くんも知ってるんでしょ…?鬱陶しい女は嫌いって誠也は言った」



幼なじみだもん、私より絶対に誠也の事を知ってる



「それで虐められてることを言ったら誠也は彩ちゃんのことを鬱陶しいって思うっていうこと?」



「……うん」


すると松本くんは、はぁ〜と長いため息をついた



「あのね、彩ちゃん。俺が誠也から聞く話だと、彩ちゃんを鬱陶しいって思う確率はこれから何があってもないと思うよ」



……ーそんなのありえない


私がこないだ泣いたら、誠也はイライラしてたもん


「きっとそれ……松本くんの勘違いだよ…」


そう言えば、少しムッとしたような顔をする松本くん


親友だもんね、2人は


私なんかにわかって欲しくないか、誠也のこと


「ごめん、松本くん。私ちょっと飲み物買ってくるわ」