今日は面会の日だ。

一体どんな方がこられるのかしら。
不安とドキドキで押しつぶされそうになりながら初めて入る面会室へ。


ガチャっとドアノブの音が鳴り、扉をあける。


6畳程の部屋にテーブルが置かれ、奥側に30代前半ほどの若い男女が座っていた。


昨日習ったばかりの挨拶をする。


「初めまして、仁奈と申します。遠い所からお越しいただきありがとうございます。どうぞ宜しくお願いします。」

「?!」

私の挨拶に何故か驚いたような表情を2人は浮かべてお互いに顔を合わせていたのだが、少し間を置いて女の人が話始めた。


「初めまして、宜しくね。…あ…」

もう一度2人で顔を見合わせてから

「仁奈ちゃんよね?あなたの施設での話とか色々…とにかく話したいと思っているの。良かったら、そこに立ってないで、こっちでゆっくり話さない?」

なんだろう…なんか、私変なことしたかしら?
2人からは私がおかしいとでも言うような顔が見て取れた。

だから冗談っぽく言って見た。


「あの…すいません顔に青のりでも着いてますか?」


「あははは!!!!」
と声をあげて笑った2人。


「あなた、面白いのね!さぁ、おいで。話しましょう」