次の日の朝。
「仁奈ー?里親の申し込み、いくつか来てるわよー?」
え?!ほんとに?!
嬉しくて顔が綻んだ。私は直ぐに応募してくれた何組かの人に返事をして、明日から早速面会することにした。
大学に行けるかもしれない。
嬉しくて舞い上がりそうだった。だけど、まだ我慢。まだ行けてないから。面会してみてどんな人かちゃんと見ないといけない。
ドキドキする……
これから自分の親になろうと言う人が会いに来るのだから。
一体どんな人なんだろ?
優しい人なのか、旗またストイックな人なのか、堅固なひとなのか、
ちょっとした期待に胸をふくらませて、
明日が待ちきれない思いになった。
まだ、朝の10時だって言うのにね。笑
早く明日にならないかしら?
待ちきれないに決まってる。
私の人生はそこからはじまるのだから
「ニイナ?大丈夫か?顔にやけてんぞ?」
私と同じ歳らしい、悠真が話しかけてきた。彼は私が入ってきてから何故か私にちょっかいをかけてくる。苦手な奴…
「気の所為です。」
あんまり喋りたくないからそう返した。
「はい、嘘ー。だってずっと俺みてきたからそれくらいわかるっつの。」
めんどくさ。
「はぁ…認めるわ。まぁ、だからって何なの?」
ニンマリとした顔で彼は言った。
「俺も実は里親見つかったんだ〜♪」
「よかったじゃない。あなた大学へ行けるのね。おめでとう。」
「……お前も、早く来いよ?」
そう言って悠真は自室へもどっていった。
なんだ。ただの自慢か!
ホッとしてその場を後にした。