「さぁ、帰ろう。」


久しぶりにこんなに泣いた。

自分で決めたことなのに、
ずっとずっと苦しくて…不安でどうしようもなかった。


このカビ臭い部屋も
隙間風の入ってくる窓も、古臭い畳も全部いやだった。


マンションに帰りたい。

蓮兄のご飯が食べたい。

純大とバカ騒ぎしたい。

…ずっとずっと、有に逢いたかった。



部屋を出ようとした時、
窓にかけられた小池さんのワイシャツが目に止まった。


でも、最後に小池さんにもう一度会いたかったかな…。


結局
小池さんとは、好きとかそういうのは何にもなかったけど…。