小池さんがキスをしながら、背中に手を回す。


唇が離れると、そのまま指を肌に走らせた。


さすが慣れている。


大人の余裕。


何も聞かないのに
私が何を欲しいのか分かってる。



淋しい。

誰かの温もりが欲しい。

居場所を感じたい。


「杏奈。」


下から見上げる鋭い目つきに
身体がゾクっとした。


そうだよ。

私が杏奈だよ。


そのまま一つになると、そのまま小池さんの胸に沈み込んだ。