こんな自分がいやだ…


どんどん欲張りになって…



トントン



軽くノックされた音がした後
ドアが静かに開いた。



「…ひまりちゃん、寝てる?」


身体を起こすと、入り口で純大が顔を覗かせた。


「寝てないよ。入る?」


純大はゆっくりドアを閉め、
すこし控えめに近づいてくると、そっとベッド脇に腰をかけた。


「大丈夫?」

「ん…」


横になったままの私の髪を撫でながら、優しい声でメロディを口ずさむ。


その声に涙がにじむ。

大きな手のひらが頭を包む。



「…俺の前では無理しなくていいから。」