「誰なのか…わかった?」


杏奈は立ち上がると冷蔵庫のドアを開けた。


中から慣れたように缶ビールを取り出すと、プシュッと口を開けた。


「もらうね。」


そう言いながらテーブルに戻ると、弁当のフタを外した。


「分からない。でもお前にそっくりだよな。」


杏奈は唐揚げを口に入れると
思わず目を開いて、もう一個、口に運んだ。


「うまいだろ?」

「美味しいけど、別に似てないよ…。」


杏奈は若干文章のおかしい返答をした。


「…私がいないのをいいことに、なりすましてるのかな。蓮兄達も騙されてる?」

「…どうだろうな。」