「ひまりちゃん?」

「あ、ぅん。待っててくれたんだ。もう行くよね?」


佐倉さんとの話が終わり、部屋を出ると純太が廊下に立っていた。


「うん。帰り…大丈夫?」

「あ、兼さんが送ってくれるから…」

「そっか。」


ギュ。


離れようとした手を純大に掴みなおされた。


「今日さ…早く帰るからね。」

「え?」


純太は私の手をとると、その甲に軽く唇をつけた。


「だ、だめだよ。また誰かに見られたら…」


「わかってるよ。ごめん。なんかさ…まだ離れたくない…な。」



本当は私の事を心配してくれてるんだよね。


すぐ
分かるよ。


優しくて愛にまっすぐな人。


悪いことをしているわけじゃない。

でもこのままはダメだ。。