「ひまりちゃん…」


園内を照らし出すユラユラとした光が
ひまりちゃんの背後から彼女を照らす。


「なんてね、ごめんね。ジュンちゃん…ほら、これ。帽子、被らないと。」

「っ…」


なぜかその手を掴み、
思わず抱きしめてしまった。


「え、あっ…ど、どうしたの?急に…」


なんだか彼女が消えてしまいそうに見えた…



もし、これが全部夢だったら…

目覚めたら
杏奈がいなくなったのも嘘で
ひまりちゃんもいない。


そんなバカみたいなことを考えて、勝手に胸がズキズキと痛んだ。


契約終了。


分かっていたことなのに。



こんな急に…終わってしまうなんて。