「ん…」


いつの間にか寝てしまったみたいで
目を覚ますと隣に純大がすやすや眠っていた。


そういえば

今日…どっか連れてってくれるって言ってたよね。


デート…だよね。


ちょっとドキドキする。よし、支度してこよう。


シャワーを浴びて、洗面所でメイクをしていると
寝起きの有が入ってきた。



「…はょ。」

「おはよ。」


有に会うのは久しぶりだった。

たまに帰ってきているような気配もしたけれど、
基本的に帰ってこない日が多かった。



『俺…お前が欲しい。』



どきん。


あれ以来、少し距離を感じてしまう。


有は何も言わずに私の横の洗面台で顔を洗うと歯を磨き始める。


なんとなく居心地が悪かった。


私も黙ったまま、メイクを続けた。


「…なに?どっか行くの。オシャレしちゃって。」

「え、あぁ…ジュンちゃんと。。」

「ラブラブっすねー」


有はまた軽くからかうように、私の巻きたての髪をくるりと指にかけた。


「俺は…最初にあった時の真っ直ぐのポニーテールの方が好きだよ。」


それだけ言うとバタンと洗面所を出て行った。