「完璧に杏奈として振る舞えるように、全力を尽くしていたよ。それに…仕事だって、杏奈の評判を落とさないようにって、すごい張り切ってた。」



気づくといつも全力でちょこまか駆け回っている姿が目に浮かんだ。


最初の無気力なイメージとはだいぶ違かった。



もともとはこういう性格なんだろう。


生きていた環境が
彼女を分厚い殻に閉じ込めてしまっていたのだろう。



その殻が少しずつむけていくのを
見ているのが好きだった。


まぁ、
それを崩していったのは純大の存在が大きかったんだろうな。