蓮兄は振り返るとひまりちゃんに向けて
優しく微笑んだ。


「理由はどうあれ、お前は自分勝手な行動をとったことには変わりないんだ。ひまりを敵視するのは違う。分かるか?」

「グス…」


杏奈はお父さんに叱られている子供のように泣いていた。



…もう俺たちのいる場面じゃないな。


少し泣きそうなひまりちゃんの腰にそっと手を当てて、
俺たちは静かに部屋を後にした。