「杏奈?起きたか?」


目覚めると
目の前に蓮兄の顔があった。


「蓮兄…近いって。」


「妹に近づいて何が悪いんだよ。さ、起きて。ご飯、ご飯。」


こうやって起こされるの
久しぶりだ。


それにすごい熟睡してたみたい。


「お腹すいたよ。」

「昨日のご馳走がまだあるよ。」


いい匂いがする。前と変わらない生活。




…いや、違う。


せっかくいい寝起きだったのに、嫌な現実を思い出してしまった。



「…ひまりさん…いるの?」

「え?あぁ、昨日は純大の部屋に寝てもらったよ。」


やっぱり純大とは公認の関係なのか…

無性に腹が立った。


私から
有をとったくせに…



「蓮兄。あの子、有とも…寝てるよね。」