歩道橋についてから、有の視線がくすぐったかった。


小池さんのこともあったけど
やっぱり有に会うと安心した。


ずっと会いたかった。



有…

私を許してくれる?

私…帰ってきたんだよ。


ちゃんと
あの日伝えられなかったこと、伝えなきゃ。



「あの日…好きって言ってくれて、本当は嬉しかったんだよ。」


有はハッとした表情を浮かべると、なぜか背中を向けた。


「あの、、私ずっと…」

「…待って。」

「え?」


有にずっと言いたかった言葉を制されて、私はどうしていいか分からず立ち尽くした。


「ごめん…言わないで。」



どうして?



大量の車が弾き出す騒音が頭の中をノイズのように駆け巡る。



「怒ってるの?ごめんってば!」

「怒ってないよ…」

「う、嘘だったの…駆け落ちとか、色々。調べたいことがあって…!」



ちゃんと話せば分かってくれるよね。


だって、あの日…
好きって言ってくれたもん。