「お…はよ。
私の事覚えてる…?
えっと…優奈ちゃんの友達の…。」
「倉田さんだろ?」
――え?
私が戸惑いながら必死に喋っていたら、章人くんが落着いた表情で言葉をかぶせた。
またそれに驚いて、私は言葉を詰らせた。
「優奈から聞いてるよ。
倉田 梨香だろ?」
「う…ん。」
驚きの隠せない私は、やっとで返事をする。
「優奈ちゃんの親戚なんだよね?
遊びに来てるの?」
思い浮かぶ会話を続ける。
予測外の突然の出来事で私の心臓はバクバクだ。
「…親戚。とはちょっと違う気がするけど。
まぁそんな感じかな。」
そう言うと、初めて会った時の様にスケッチブックを広げスラスラと描き始めた。