家の中は風が良く通り、外の暑さが嘘の様だった。
優奈ちゃんは、私がいつも遊びに来る時以上に、ちょこちょこ動いて、あれこれしてくれている。
「あ!私、梨香ちゃんの為におかーさんとゼリー作ったの!
食べていいか聞いて来るから、ここのイスに座って待ってて!」
そう言って、縁側まで走っていって叫んで聞いてる。
その声を聞いて優奈ちゃんのおかーさんと母が縁側までやって来た。
「梨香?迷惑かけないでしっかりやってね?」
母は浮かれている私に、再度釘をさして帰って行った。
その後ろ姿を見て、うっかり切なくなったが、
『梨香は、まだ甘えんぼだから、すぐ淋しくなって夜にでも帰るって電話がきそうだ。』
昨日の夜、父に冗談混じりに言われた事を思いだし、気持ちを立て直した。
優奈ちゃんのおかーさんが、可愛く盛り付けてくれたゼリーをパクンっとほうばった。