『此こは神前。舞うべきは、
この場を讃える舞であろうが!
何故、謀叛人を慕うが舞か!
正に不届き至極、許さぬぞ!』


回廊に両手をついて、゜.゜ . *
微動だにしない白拍子の姿。

其所に
境内の桜を震わせ巻き上げる程の
大音声を
頼朝が上げるのが、

鼓膜を震わせ゜ . *

再幻影として目前行われる。
けれども進むにつれ、
わたしの中に少しの違和感が
生じていく。

「何かが、変わった、、?」

「・・・・・」

呟くわたしの脇なに、
筋肉質なカンジの腕が寄り添う。

裏腹に、
むせ返る桜花の花宴の場は、
騒然とし始め、
『即刻死罪か?』等の声が
詰め寄る強者達、そここに
上がった。

「確かに。」

そのカンジの答えと共に、
わたしを、
背を守り立つカンジにも、
警戒の鼓動が脈打つのが
肌越しに伝わる。

それでも再幻影は続く。いえ、、

『詮ずる所、わたくしとて
敵の前であっても、同じく
歌い 舞ったでしょう。』

「あ?!」

頼朝が正妻の声が、
その場の空気を諌めるのを
聞きつつも、
わたしは
妙に
周囲の熱気が、生々しい空気に
変化している事に
焦りを覚えて、
思い巡らせた。

桜花の匂いが
徐々に、
わたし達を囲む

「カンジ、リヴィブがリアルに
変貌している、かもしれない」

そう、
再幻影に留まっていない。
そのまま
リアルな空気感が立ち処に
わたし達を支配している?!

「やはりな。アヤカの体内に、
俺のエナジーを射れたからか?」

「わからない。其れもあるの
かもしれないけれど、危険だ
わ。周りの武士達に認知され」

囁く程の声で互いに話していた
瞬間、すでに
際は振られた!!

『何奴!いつの間に!!』
『刀を抜けい!皆の者!!』

わたし達が突如出現したかの
如く不思議さに、
周りの武士達が騒ぎだした!

「カンジ!!」

刹那、カンジが

「しゃがめ!!!」

叫ぶと!
反射的に、しゃがむわたしを
片手でしゃがみ絡め抱く!

(何、)

『バンッ!!!』
ーーーーーーシュッーー!!!

其のわたし達の頭上を、
大型の矢が掠めたっ!

(時代物ではないクロスボー!)

かわすと同時にカンジは、
反対の手と、
屈めた足の反動で上空に、
すかさず

『バッ』

能力発光しながら跳んだ!!!

(異常な跳躍力!身体能力!)

『カッ≪≪≪≪』

途端に!!
カンジの背中や腕に、
あの地下で見た光が激流。
脈動する
陣形が迸り浮かび放たれ、
その激しい眩しさに武士達は
目を眩まされた!!

『ななな!目が!!』
『であえい!であえい!』

カンジは回廊の上に掛かる
巨木に飛び上がると、
今度は弓矢が放たれた場所に
目掛けて、
背中から
取り出す戦輪ーチャクラムを
飛ばした!!

『ブウンーーー!ーー!ゞゞゞ』

(古代投擲武器、しかも大きい)

懺悔音でカーブを描いた
戦輪の先には、

(白祭服!!ってことは!)

時代に合わない出で立ちと
殺気を持つ男。
紛れもない!!

「あ、あれは!」

「追っ手だ、アヤカ側のな。」

カンジが投げた戦輪は、
圧倒的早さと強力で、
追っ手の首を
削ぎ落とし
身体ごと消滅させる?!!

(!!カンジ達の日光消滅と
同じ死に様に誘う、
体内武器の威力がこれなのね!)

「神官兵士だわ、、」

「知り合いか?アヤカ。」

「いいえ、まさか外部からリンク
インしてくるなんて、あんな
無茶を貴族クラスにはさせな
い。なんて、こと、、」

「アヤカ、見ろ!」

カンジの声に意識を戻せば、
身体が消滅したことで、
神官兵士が纏う白祭服だけが
滑り落ちて、

異形の光に騒ぐ武士達の中に
落ちたのが見える。

『此れは妖しか?』
『否!あれなる光物は神仏ならん』
『天より白き衣が舞い降りた!』

『殿、舞の素晴らしさに、天より
不可思議なる衣が現れました
故、此れを褒美と使わせては』

今彼等の目は、
出現した祭服に気を取られて
わたし達が見えていない。

回廊の白拍子も
座ったままで固まっている。
ああ、彼女の位置からは、
巨木のわたし達が
見えている?

『よかろう。御前に此なる
天から遣わされた衣を褒美と
して下げ賜そうぞ。ゆめゆめ
間違えるなよ。下がるがよい!』

でも其れにばかり、
構っていられない!

「カンジ、、」

「史実では確かに、褒美として、
宝物の衣を与えたとなっては
いるが、、。あの祭服が、
奇しくもオーパーツになって
しまったわけだな。アヤカ?」

そうなのだ!
まさかの時間介入をしてしまった!

「え、ええ、、そうなのよ。
まさかこんな時間介入になって
しまうなんて。とにかく、
このままリヴィブを続けるわけ
にはいかないわ。カンジ、」

「そうだな、1度現実に戻るのが
得策だろう。騒がしくなる前に」

カンジが、わたしを抱く腕を
強める。

本来は、白拍子の2度の褒美品を
視る為のリヴィブ。

けれど、

その1つはたった今介入による
オーパーツと成っている。

わたしは断腸の思いで
リヴィブを解いた。

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