ピピッピピッ
懐かしい夢を見た。
小学生4年生の頃に出会った男の子の夢。
名前も知らない,優しい声を持つ男の子の夢。
「優奈ー。早く起きないと遅刻するよ!」
夢に懐かしさを感じてたらお母さんがやってきた。
「そっか。今日から新学期なのか。」
そんなことを1人で呟きながら朝の準備を始める。今日から中学校生活が始まるので私は真新しい制服に手を通した。(なんかかたいなぁ)
そんな当たり前のことを考えながらも髪を結んだりご飯食べたりと急いで準備をした。
朝だからこんなテンションなだけで今日はずっと楽しみにしていた中学校の入学式なのだ。
「お母さん。行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい」
7時30分に私は中学校に向けて家を出た。家から学校までは歩いて15分ぐらい。近いといえば近いし、遠いいと言えば遠いい。微妙な距離
でも、私はこの通学路を気にっている。
5分ぐらい歩いたら甘い蜜の香りがした。
「あ!グラジオラスの香りだ!!」
私はグラジオラスの花壇がある所まで早足で急いだ。花壇には紫の色のグラジオラスがたくさん咲いている。私はひたむきな努力の意味を持つこの花が大好きだ。努力したらこの花みたいに綺麗になれるんだ!って元気をもらえる。
それに中学生になったんだから恋のひとつしてみたい。だから!中学校生活めちゃくちゃ努力するつもりだ。
「やば、急がないと遅刻する」
花壇の前で眺めていたら時間を忘れて10分も経っていた。さすがに入学式当日に遅刻はやばいので少し早足で行くことにした。
学校まで早足で行くと校門のところで佳奈を見つけた