きっとその時からだろう。胸の中にある小さな気持ちが芽生えたのは。
私が夏葵と仲良くなっているように、もちろん佳奈も夏葵と仲良くなっている。
2人の場合はもう、お互いに呼び捨てになっている。私にはまだ、、さん付けなのに。
「委員長。このクラスの学級委員は?」
「あ、はい!私です」
実はこの前学級委員を決めることになって誰も立候補者がいなかったからその時寝てしまっていた私になっていたのだ。起きてその事を知った時佳奈も夏葵も大変爆笑していた。聞くことによると私を進めたのはその2人だったとか。
「国語のワーク職員室に運ぶように」
「え、はい。」
まさか、よりによって国語のノート。
職員室は2階にあるため4階のこの教室からだと1番遠いい。しかも!国語のノートは1冊でも分厚いため結構重い。それをクラス分…
「優奈!ごめん手伝ってあげたいけど私もこの後図書室のカウンター当番があって」
「え?大丈夫だよ?わざわざありがとね」
「ほんと!ごめん!夏葵、優奈手伝ってあげてね!」
「え?僕?しかたないなぁ笑」
「え!?手伝ってくれんの?ありがと。」
まさか、夏葵と2人で運ぶことになるなんて思ってもいなかった。
「じゃあ僕こっち持ってくからそっちは頼んだ!」
「え?でも、そっちの方が多いいよ?」
「あのね。僕男だよ?」
「え?うん。知ってるよ?」
知ってるよ。夏葵が男の子な事ぐらい。
「だから、女子は大人しく少ない方持ちなさい」
お願い。佳奈を裏切りたくないの。優しくしないで。
「あ、はい。」