愛梨は高校2年の時に同じクラスになって番号順が私の後ろの席だったことがきっかけでよく話すようになった。
私は人見知りが激しくて1年の頃は友達と呼べるような人は1人も出来なかった。

いじめられてた訳ではないし、用事があれば時々クラスメイトの人と喋ったりもした。
けどお昼を一緒に食べたり放課後出かけたりするような友達はできなかった。
このまま卒業まで友達出来なかったら嫌だなっていう不安もありながらクラス替え当日。

新しい教室へ行くとみんなもうグループが出来ていて、完全に孤立状態…。
はぁ、とため息をつきたくなる気持ちで机に伏せていると「…さん、桜木さん!」と後ろの席から大きな声で名字を呼ばれた。
「は、はい!」と驚いて後ろを振り返ると透き通るような白い肌にぱっちり二重で、艶のある綺麗な髪を2つにしばった小柄でかわいい女の子。愛梨がいた。
驚いた私に愛梨まで驚いていた。

「私、杉山 愛梨です♡よろしくね〜。ビックリさせちゃったよねごめんね…!何回か声掛けたんだけど気づいてもらえなくて…」

「すみません…えっと、私、桜木 雪乃です。ちょっと考え事をしてたもので…。あ、よろしくお願いします。」

緊張しながらも自己紹介を終えた。
正直声をかけてくれてすごく嬉しかった。

「私のことは愛梨って呼んでね!私も、雪乃って呼んでもいいかな?」愛梨は首を傾げながら私に聞いてきた。

「愛梨…さん。私のことは呼び捨てで大丈夫ですよ」

「なんでさん付け!?同い年だよ!ダメだよ!それに敬語も変だよ〜」と愛梨は笑いながら私に言った。

「そうだよね。同い年だもんね(笑)私人見知り激しくて、緊張しちゃってるのかも」と私も苦笑いで愛梨に答えた。