「ありがとうございます!」

男の子は深く頭を下げてから急いでお会計を済ませた。

私のお会計が終わったあと。
「本当に助かりました。財布を忘れるなんて俺馬鹿ですよね…。呆れちゃいましたか?」

心配そうに聞いてくるので思わず「そんな事ないですよっ。私もよく忘れちゃいます」
とフォローしてしまった。

なにフォローしてんの私。この人は怪しい人かもしれないのに!

「お金、返したいんですけど俺の家すぐ近くなんで…って言っても怪しいですよね。うーん…」

気を使ってくれてるみたいで、すごく悩んでる様子に思わず吹き出してしまった…。

「俺…なにか変なこと言いました?」と不思議そうに聞い来る男の子に

「いや…。フフッ…。すみません。面白いなと思ってつい…」

男の子は頬を赤く染めて恥ずかしそうに俯いてしまった。

「じゃあ、こうしましょう。明日すぐそこの公園に待ち合わせってことで大丈夫ですか?」

「はい!大丈夫です!時間はどーしますか?俺は何時でも合わせますよ」
と目をキラキラさせながら言ってきた。

お昼ぐらいまでは寝たいしな〜。
「午後…でも平気ですか?13時とか」

「大丈夫ですよっ」

「なら良かったです。じゃあ明日13時に。」

「わかりました。ではまた…」

とお互い気まずそうに背を向けた。
幸い帰る方向は逆だったので途中まで一緒にならずに済んでホッとした。