私は愛梨と話した進路の話を思い出しながら、1人学校の帰り道を歩いていた。

「あの…、すみません…」

「は、はい!?」
突然後ろから声をかけられたので、自分でもびっくりするぐらいでかい声で反応してしまった…。恥ずかしい…。

「あ、すみません。いきなり。これ…」
恥ずかしそうに私に何かを差し出した男の子は、黒髪で切れ長の目に整った顔立ち、背も高くて、大人しそうだけど影ですごくモテそうな人だった。

「私何か落としました?」キョトンとしながら、おそらく同い年ぐらいだろう男の子に聞き返す。

「僕、ずっとあなたの事が気になっていて…。急にこんなの貰っても困ると思ったんですけど、どうしてもあげたくて…よかったら貰ってください!」

そういってその男の子は半ば強引に私の手に紙袋を握らせて走っていってしまった。

「あの!ちょっと……」

どうしよう。呼び止めようとしたけど、男の子はどんどん離れていって、ついに見えなくなってしまった。

「怪しすぎる…。ストーカー?」
とブツブツ独り言をいいながら家まで早足で帰った。