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「メルちゃん着いたよ」

「え? どこにですか?」


 馬車の扉が開き、オスマンさんにエスコートされ降りる。屋敷に入るとファンタジーの漫画で見たことのある光景が広がっていた。


「おかえりなさいませ、旦那様」

「あぁ」

「メル様もようこそ、公爵邸へ」


 こうしゃく、てい……? 


「メルちゃんをお部屋に案内してくれ、長旅で疲れているはずだ」

「はい、もう支度済みです」


 朝のような服を着た女性に部屋まで連れられて階段を上がり、ひとつ大きな部屋に案内された。