「一度しか呼んでくれない。何故だ」

「……恥ずかしいし、」


 日本で言えば「名前で呼んで」みたいなものじゃない? そんなの無理です。


「恥ずかしがることはない。俺しかいないんだから」

「そうですけど……っま、食べませんか? まだお皿に残ってますし!」


 私は逃げるようにご飯を最後まで食べてお皿を洗った。すると、ギルバード様はソファに座っていた。いかにも、「さぁ、おいで」とでも言うかのように……。

 私は気付かないフリをしようとソファのギルバート様の一人分開けて座る。


「……なぜ、そこに座るんだ?」

「いや、意味はないんですけど……って、わぁっ!」