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「――へぇ〜これがメルちゃんの世界の食べ物?」

「はい。ニコルさんがウィリアム王子経由で送って来られて」


 お米と再会して早一ヶ月。私専用の厨房に木の箱が大量に届き、そこにはお米がたくさん入っていて、しかもエミベザではない梅干しもついて来たから驚きだ。


【これは、この前のお礼です。メル様に教えてもらったメモの通り作ったら大層喜ばれました。本当にありがとうございました。梅干しは、代々伝わる方法で作っているものです。もし良かったら。 ニコラ】


「ふふっ……梅干しもこの世界にあるなんてびっくりだわ」

「それ何? なんか不思議な色」

「食べてみます? とても酸っぱいですよ」


 さっき味見したけど、とても酸っぱかった。







「うん! ……って、すっぱ!」

「さっき言ったじゃないですか。すっぱいって。お米と食べると美味しいですよ」

「じゃあ、お米食べたい」

「今、炊いてます。後十分ほどお待ちください」


 炊き上がると私はノア様によそってから渡すと、すごい勢いで食べてしまった。ペロリ、じゃん。


「うまかったー確かにさっきのと相性いいかもしれない」

「ですよね〜」

「うん。また食べに来ていい?」


 私が頷くと嬉しそうな表情をして帰っていった。ニコラさんのおかげで、朝はパン夜は白米を食べることができるようになった。なんだか日本にいるような感覚になる。

 すると次にギルバード様がやって来た。


「メル、俺の分もある?」

「うん! もちろんです……どうぞ!」

「ありがとう。いただきます」


 私はギルバード様にご飯を盛り渡すと、私も食べる。