「ま、真山(まやま)??」



思わず声にだすと、三角座りで壁に背をあずけていた真山が顔を上げた。




「あー…よぉ」




いつもどおり、生気のない声と瞳。

ムダに綺麗な顔面でこちらを見るのは
まぎれもなく真山だった。



私のクラスメイトで、3年間クラスが同じというなんとも不思議な縁を持っている男友達。


よくお菓子交換をしたりと、仲はいい。




「どうしたの?こんなところに座りこんで」


真山のそばにしゃがみこみ、視線を合わせる。


チョコのような甘い香りが鼻をくすぐった。