すると、低い声が小さく
「……好き」
私の鼓膜を撫でた。
そして瞬く間に持ち上がった熱いまなざしに射貫かれる。
「……」
ふらり
倒れるように真山が寄りかかってきた。
と思えば腕をまわされて、包みこまれる。
トクン、トクン
鼓動は甘く鳴る。
「あいつと付き合っちゃ、だめ」
耳元に息がかかる。
「あいつのものになったら許さない」
「……っ」
「俺のほうがずっと前から瑚波のこと好きだっだ。なのに…なのにさ、ほんとむかつく」
首筋におでこをスリスリされて。
まるで子どもみたいに私にくっついてくる。
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