「ま、やま」 「…るせぇ」 間髪入れず、また押し当てられる唇。 今度はおでこ。 次は鼻先。 そして最後には、私の視界を奪うようにまぶた両方ずつにキスをされた。 丁寧に、隙間なくピッタリと。 真山の唇が私の皮膚にくっついてくる。 そして知らないうちに手を握られていた。 細身なのに包みこんでくるその手は大きくてゴツゴツしてて。 上にも下にも、私の意識はふわふわと往来を繰り返した。