その声が聞こえるようになり、私は先輩たちの前で立ち止まった。

 そして先輩の一人が口を開く前に、私はさっきから伝えたくて仕方がなかった言葉を、勢いよく元気に言う。



「先輩! 一目惚れしました! 好きです!」

「……ハ?」


 ぽかん、と目当ての先輩が口を開けて困惑した表情を見せる。


「誰に言ってんの?」


 先輩の友人が、声を鋭くした。