お昼休み。
 学年関係なく行き交う廊下で見つめているのは、ある一点だった。

 キラキラと太陽の光のように輝く、絵に書いたような金髪に、数えるのも馬鹿らしくなるようなピアスの数。ネクタイは当然のようにだらしなく締められていて、規定のカッターシャツはズボンにしまわれることなく外へ飛び出している。


 これだけを見ればただの不良。それだけ。

 だけど私が彼を見つめているのは、そんな理由じゃなかった。