もう死んで消えてしまいたい。そう思い始めたのは中学2年の頃からだった。僕は中学入学と同時に引っ越しをした。大好きだった仲間とも別れ、初めは悲しみを隠しきれなかった。でも、元々明るい性格だった事から友達には困らなかった。恵まれてるなと、感じながら始まった部活動、気になる先輩が出来た。人前に出るのは苦手そうで、皆に好かれるようなタイプではなかったし、顔が整ってるわけではなかった。でも何故か引かれてしまった。動きたくないからという理由で吹奏楽部に入って、それでも良かったと、つくずく思った。僕は、トランペットが向いてそうだったからトランペットを希望した。でも、向いてそうだったからという理由以外に、先輩もトランペットだったから。と言う理由でもあった。
ちょこちょこ見える先輩の横顔がたまらなかった。でもこんな相談、引越したての僕には到底友達に言えたもんじゃなかった。これも青春か、とか思いながら2年生になり、不幸は訪れた。
僕は先輩に振り向いて貰いたくてそんなに太っているわけではなかったが痩せることを決意した。でもそのせいで体は動かくなり、歩いていても倒れてしまう。体育なんて出れたもんじゃない、毎日見学を繰り返し、成績はすごいことになっていた。登校は親が車で送ってくれた。申し訳ないなと、思いながら毎日を過ごしていた。でもそんなある日、先輩が来なくなった。先輩はなんだかの理由で心病んでしまったらしい。僕は何のために痩せたのだろう。先輩に会いたい。ただそれだけを思う日々、部活以外の時間では、
「あいつまたサボってたな」
「また車で来たんだってよヤバくね」
など、批判の声。死にたい。それでも僕は必死に耐えた。日に日に話せる友達は減り、クラスでは1人だった。もう我慢の限界だった。僕は不登校になった。もう先輩なんてどうでもいい。恋愛なんてただ気づつくだけ、結局気づいて貰えない。いくら頑張っても頭に入らない勉強。そしてこんなこと考えてしまう自分。全てに嫌気がさした。家から1歩も出ずに過ごす日々、気づいたら高校受験直前になっていた。
先輩は今どこで何しているんだろうと、ボーッとしていると1件のメッセージが届いた。僕にメッセージが届くのはとても珍しかったからびっくりした。そこには(桜木優春)と、記されていた。
-元気?最近会ってないから寂しくなっちゃ ったよー!
-ところで、高校決まった?
こう記されていた。
僕は
-元気だよ。
-高校全然決まってない。やよは?
とだけ記して携帯を閉じた。気づいたら寝てしまっていたらしい、朝になっていた。
優春からのメッセージは、10時間前と、書かれていて、あれから10時間たったと考えるとゾッとした。
-私もまだだから、そっちはどうかなって思って!
優春の事だから、仲がいい友達と合わせて、高校も楽しそうに生活するものだと思っていたが、そうではないらしい。