それからはずっと、まどかちゃんと一緒に過ごしていた。

蓮くんのことを忘れて、ずっと。

でもある日、移動教室中

「つむ!」

後ろから名前を呼ばれて、腕を引かれた。

振り返らなくてもわかる、蓮くんの声。

(蓮、くっ…)

「!?」

声が、出ない。

あんなに喋れたのに、まどかちゃんとだって、ずっと…

「つむ、お願い、話をさせて。どうしてー」

(やだっ!)

急に喋れなくなったことで混乱した私は、
涙を堪えながらその場を走り去った。

「つ、紬ちゃん!?」

まどかちゃんは何が起こったのか分からないまま私を追いかける。

ごめんね、蓮くん。

私、もう蓮くんとは仲良くできない。

私が美緒ちゃんから聞いたのに、

私が受け入れられなくてごめんなさい。