「...私は夜霧 希空。...要件は何?」

音瀬那由多は戸惑ったように

口を開いて閉じて。

やがて決心が決まったかのように

私の目をしっかりと見つめた。

「...単刀直入に聞くけど、希空さんって今、死にたい?」

「は?」

何?急に。初対面で、死にたいかだって?

単刀直入にも程がある。

「なんでそんなこと言わなきゃいけないの」

ぶっきらぼうにそう言うと、

音瀬那由多は戸惑うことなく笑った。

(どうして、笑ってるの)