目的地までの道のりはそんなことの繰り返しで……。

スマホのナビを見ながら、ずっと首を傾げて隣を歩いてる恋々愛ちゃん。

恋々愛ちゃんってほんとに方向音痴なんだ……。

方向音痴なことは聞いてたけど、実際にナビつけて一緒に歩くことなかったから、初めて実感。

「次は……こっち!」

「恋々愛ちゃん、そっち行ったら山越えちゃうから……駅前はこっちだよ」

「あ、ほんとだ! 駅前のモールが見える!」

道を間違えてくれれば、一緒にいられる時間が増えるから嬉しい。

……嬉しいけど──────────

モール指さしながら嬉しそうに僕を見上げる恋々愛ちゃん。

一番は恋々愛ちゃんが行きたいところに導いてあげることだから。