「いいよ」

っ……!?

しっかりと聞こえたその言葉に、俺は勢いよく顔を上げる。

百合?

目の前に見えるのは……幻覚か?

百合は眩しいぐらいの笑顔で俺に微笑みかけていて。

でもいま、確かに『いいよ』って……。

「いいよ」

!!!

再びはっきりと聞こえてきた声に、パッと百合の笑顔が、恋々愛の笑顔へと変わる。

「……え?」

「楓くん、オムライスの方ジーッと見てたから食べたいのかなーって。それに半分こするって言ってたし」

あ、あぁ……いいよってそういうこと……。