「何に悩んでんの?」

既に頼むものを決め終えた俺はテーブルに頬杖ついて、目の前に座る恋々愛をジーッと見つめた。

「んー……ハンバーグがすごい美味しそうで……でもデミオムライスも捨てがたい」

見ても見ても見飽きないほど、彼女の表情はコロコロ変わる。

ハンバーグにオムライス……。

どっちも恋々愛の好物だ。

実際に恋々愛に聞いたことは無いが、夕食を作っていると分かる。

基本的になんでも美味しく食べる恋々愛だけど、好きな物の時は、ごはんを待つ時やけにちらちらキッチンを見てくるし、大なり小なりおかわりをする。

ハンバーグもオムライスも、好きの度合いで言ったら同じぐらいだろうな……。

「俺ハンバーグ頼むけど、半分食べるか?」

「えっ?」