「底なしの食欲だな」

「うっ……」

トゲを刺されたかのように顔を歪める恋々愛。

「否定しねーのかよ」

「んー……間違いじゃないからなぁ」

そう言いながら、恋々愛は顎に手を当ててますます顔を渋くさせて。

どこまで素直なんだか。

そんな姿にまた、俺は自然と頬が緩む。

* * *

「んー……」

レストランについてから数分。

席に案内されてすぐメニュー表をとったはずの恋々愛の手元にはまだメニュー表が握られていて。

さっきからずっとメニュー表とにらめっこしながら唸り続けている。