「この特殊捜査チームは、特殊な力を使って捜査を行う。だから公に活動することはできないし、このチームの存在を知っているのも警察組織でもごく僅かだ。だから、行動には十分気をつけてほしい。全員の平穏な生活が崩れてしまう危険性の方が大きいからな……」

シオンの言葉に、エヴァンとレティシアがゴクリと唾を飲み込む。一人が行動を乱せば、能力のことが世界中に知れ渡り、一生晒し者のように生きていかなければならなくなるという道もあり得るのだ。一人ひとりに乗せられた責任は重い。

「ただ、プラスになることもある。特別な力を持っているんだから、通常の警察の捜査よりも早く犯人逮捕につなげられるし、潜入や盗聴なども上が認めてくれた。捜査はこのチームの方がしやすいだろう。普通の捜査本部なら、令状やら上の指示やら色々必要だからな……」

シオンがそう話すと、「シオンさん、書き終わりました!」とサルビアが声をかける。シオンは「ありがとう」とサルビアにお礼を言った後、フィオナたちに一枚ずつ今回調べる事件の資料を配った。