その様子を見て、フィオナは思う。やはり自分のそばにエヴァンはいるべきではないと。彼はみんなと手を取り合い、笑って生きていくのがお似合いだ。幼なじみだからという理由で、こんな感情のない自分と一緒にいる必要はない。フィオナは悲しみや寂しさを感じることはなく、心の底からそう思う。表情がないため、何を考えているか読み取られることがないのが幸いだろう。

話がひと段落したところで、シオンが「では、そろそろ捜査会議を始めよう」と言い全員の目がシオンに向けられる。

チラリとフィオナがエヴァンを見れば、初めてのことに緊張している様子だった。手は落ち着きなく動き、顔が強張っている。これがきっと普通の反応だ。

(緊張とか、恐怖とか、どんな感情だったかしら……)

やはり、フィオナの心は何も感じない。まるで雪のように真っさらだ。感情の色がない。

ホワイトボードに、これから調べる事件のことをサルビアが書いていく。それを待つ間、シオンがこの特殊捜査チームのことについて話した。