一週間後、ダークレッドのシャツブラウスに黒のスキニーパンツを履いたフィオナと、白いシャツにカーディガンを羽織り、カーキ色のパンツを履いたエヴァンは、サルビアに渡された紙に書かれた住所まで二人で向かった。バスに揺られ、道を歩いていく。

「あれだけ不安がっていたから、あなたは行かないと思ってた」

フィオナがそう隣にいるエヴァンに言うと、エヴァンは頬を赤く染め、早口に言う。

「いや、確かに不安だよ?でも男として女の子一人でそういう怪しい場所に行かせるのはどうかなって思ったし、フィオナと一緒にいて守ってあげたかったから……」

「エヴァンより、私の方がきっと強いと思うけど」

フィオナがそう言うと、エヴァンは顔を赤くしたまま黙り込む。フィオナは気にすることなく坂道を登っていった。この先にサルビアが渡した住所がある。

「フィオナ、ここだね」

フィオナとエヴァンの目の前には、三階建ての小さなビルがあった。しかし、一階と二階は無人のようで、三階にしか明かりがついていない。

「行こう」

エヴァンが先に進もうとし、フィオナはすぐにその手を掴む。

「私が先に行く」