「え? わたしじゃないと……?」


「ああ。そうだ。言っとくけど、俺が誰とでも相合傘すると思うなよ? お前だから、良いんだよ。お前とだから、したいんだよ」

わたしと……だから。


「君……せっかく声かけてくれたのに悪いけど。俺、こいつと帰るから。
ほら、傘貸して。行くぞ」


キミが自分に声をかけてきた女子に声をかけると、わたしはキミに腕を掴まれたまま、強引に連れられていく。


さっきからずっと、キミの横顔がほんのりと赤い。


「さっきの続きだけど。俺が雨の日に傘を持ってこないのは……そうすればお前と一緒に帰れるから」


「え? キミ、わたしと一緒に帰りたいの?」


「ああ、帰りたいよ。ていうか、俺はお前とずっと一緒にいたい。

お前が……好きだから」