ーーぐいっ! 「お前! なに俺を置いて、先にひとりで帰ろうとしてんだよ」 わたしは、キミに腕を掴まれた。 間近に迫った整った顔に、ドキリとする。 「え? でもキミ、その子の傘に入れてもらうんじゃ……?」 「は? 勝手に決めんなよ。 俺は……お前じゃないとイヤなんだ」