転生-目覚めると悪役令嬢!?




私は、毎日冴えない日々を過ごしている。
適度な仕事をし、適度に人間関係を保っている

「今日も仕事か〜」

他愛も無い日々を過ごしている。
いつもと同じ街、同じ道、同じ風景を見ている
今日もいつも通り同じ道を歩くだけ。

「は〜 眠い。今日も通勤ラッシュか…」

そう。電車通勤だから人が溢れている。

私はいつもと同じ線に並ぶ。

そして通勤ラッシュも無事に終え酔う。

駅から徒歩5分の所に会社があるからすぐ着く

……いつも通りの道を歩くだけ。

「あぶない!!!!」
「 え?」
プップ~ ガッシャン ピーポーピーポー

そう。車同士の衝突事故に巻き込まれた。

私、、、もう死んじゃうのか。

もっとちゃんとしとけばよかったな…人生。





「ま…ーゼ…おじょ…」

…誰かが何か言っている…

「ーゼ……ル…」

ぼやけて見える…これは…天井…?

誰かが泣いてる…女の人?…分からない。

そして私は目がぱっちりあいた。

「ルイーゼお嬢様!!!!!」
「…ルイーゼ…とは…」
「ルイーゼ!目が覚めたのね…グスッ」
「ルイーゼ!よかった…よかった…グスッ」
「!?」

知らない2人に泣きつつ抱きしめられた。

「あなた…10ヶ月も目が覚めなかったのよ…」
「え…」
「痛い場所はないかい?」
「…ないです…」
「よかった…よかったですわ…」

泣きながら 綺麗な女性は私にそう言った

「…目覚めてくれて本当に…よかった」

泣きながら 綺麗な男性も私にそう言った

「私たちが分かるかい?」

私にそう聞いてきた。何故かピンときた言葉

「…お…父様…と…お…母…様」

「よかった!記憶もきちんとある安心だ!」

…この人たちが私の両親?…違う。

「今日までゆっくりなさい…いいわね?グスッ」

「はい…お母様…」

「お嬢様…よかった…よかったです…」

この人は…このメイドの人は…だれ?

「それじゃ私達は行くわ…マセリーお願いね」
「承知致します」

マセリーって言うのね……ん?あれれ…

手元を見ると小さい…どうして…?
鏡を見ると…開いた口が塞がらない。

「…えーーーーーー!!!!」

「お嬢様!どうされましたか!」

送りに行ったのか急ぎ足で戻ってきたメイド

「ななななんでもないわ…オホホホホ」

待って!え!この顔…何か見覚えがあるわ…

…お嬢様…綺麗な顔…そして…ルイーゼ…

ルイーゼ……もし…か…して……

「私、悪役令嬢になってる!?!?」

「…お嬢様…まさか…まだ…」

変な事言ったからすごい顔で見てくるメイド

「だだだ、大丈夫よ!私はルイーゼよ!」
「…お嬢様。(ホッ)」

安心した表情を浮かべているメイドさん。
…いや…マセリー と言ってたっけ…。

私が…悪役令嬢のルイーゼという事は、、、
まさか……

「お嬢様お伝えする事がございます」
「はい!」
「アルファンス様がお見えになっておられます」

…アルファンス…まさか…ね…違う人よね…
少しボケた感じで言ってみようかな…

「アルファンス殿下…でしたっけ?」
「冗談を言っている場合ではございませんよ」
「はあ…行きます行きます…」
「お嬢様!その様なご恰好では駄目です!」
「え、これ可愛いと思うけどな〜」
「何を言っておられるのですかお着替え下さい」

せっせかと着替えさせられた…可愛かったのに

「こちらです…お嬢様」

そして連れていかれる…されるがままだな

「ルイーゼ嬢…」
「あ!」

やっぱりやっぱりやっぱりアルファンス様!
と言う事は、私、転生しちゃったんだ!!!
…破滅フラグだけは、避けなくては!!!



頭の中を整理しよう。

私の名前は ルイーゼ・クライス。

多分だけど…9歳だと思う。

由緒正しい公爵家の令嬢。そして悪役令嬢…。

アルファンス・レオナルド殿下の婚約者。

私の好きなゲーム 「ときめきナイト」の世界

破滅フラグを避けていかなくちゃいけない

誰とも結婚はしないで幸せなHappy end を

迎える為に、やっていくしかない!!!!

「…ルイーゼ・クライス嬢…大丈夫ですか?」

私が百面相をしていたからか不思議そうに
聞いてきた、アルファンス殿下。………あ。
忘れてたー!アルファンス殿下が居たのよ!

「ご機嫌よう、アルファンス殿下」

スカートの裾を持ち、綺麗にご挨拶をする。

「ご機嫌よう。驚いたよ…怪我したと聞いて」

心配そうな表情を浮かべ…

「ご心配おかけして申し訳ございません」

ご令嬢らしくきちんと振舞ったわ

「………」

頭を下げ謝ると殿下は何故か驚いた表情

「…ルイーゼ様が…」

殿下に続きマセリーまで驚いている

「どうされたのですか?」

「ルイーゼ様がお謝りになられた…」
「あの傲慢なルイーゼクライス嬢が…」
「はあ…」
「ルイーゼクライス嬢やはり治っては…」
「ルイーゼ様が…あの…ルイーゼ様が…」

どれだけ私って酷い態度していたのよ……
ここまでの言われ様だとむしろスッキリよ

「ご心配なく。きっと頭を打っただけですわ」
「あ、あ、頭!?」
「ルイーゼ様は木の上に登る習慣がございます」
「木に…登る……なんと…」
「あらマセリー…木に登るのは楽しいわよ」
「ですが公爵令嬢でもあろう方がする事では
ございませんし、前代未聞問題ですよ」
「ぷふ…ぷははははは」
「え?どうなされたのですか?」

突然アルファンス殿下が大きく笑い始め
ルイーゼだけではなくマセリーまでが驚いた

「あ、申し訳ないです。木に登る ご令嬢など
耳にした事など無く笑ってしまいました。」
「アルファンス殿下も登ってみますか?」
「ルイーゼお嬢様!!!!」

ルイーゼは悪気がなく言ったつもりだけど
マセリーは本当に怒ってしまった。
でも肝心のアルファンス殿下はと言うと
完全に、ツボに入ってしまっている。

「あれ?所でアルファンス殿下?」
「どうなされましたか?ルイーゼ嬢」
「今日のご訪問は、何か御用でも…?」
「ルイーゼお嬢様!」
「はい!」
「第1王子のアルファンス様に向かって」
「私は、大丈夫ですよ。お気になさらず」
「…はい、失礼しました、」

アルファンス殿下は、怒るマセリーを止め
ルイーゼの前に行き片膝を床に着けた

「アルファンス殿下?」
「私、アルファンス・レオナルドと
ルイーゼ・クライス嬢の婚約が決まり
ご挨拶を兼ねて、会いに来ました。」
「ご光栄に思います、わざわざ御足労して頂き
誠に、ありがとうございます、殿下。」
「ルイーゼ…嬢…貴女は……
すっかりお変わりになられましたね。」

ルイーゼは笑顔で挨拶返しをすると
アルファンス殿下は驚き、再び笑顔になる

「以前のルイーゼ嬢とは思えません」

悪気があって言っている訳ではないが
ご最も過ぎて マセリーも 首を縦に頷く。

「今までの態度を心ごと入れ替えましたの
沢山の御無礼申し訳ございませんでした」

ルイーゼは謝りながら深く頭を下げ
その姿勢に誰もが驚いた。

「ルイーゼ嬢…頭をお上げ下さい」
「アルファンス殿下…ですが」
「いいのです。これからは楽しくやりましょう」
「お心に留めておきます、アルファンス殿下」




こうして、マセリー クライス嬢の
破滅フラグの幕が開いたのでした。

あれから一年という月日が早くも経ち

ルイーゼクライス は 10才という歳になった
第1王子 アルファンス・レオナルドとは
交友関係を保っている。保てていると言うより
ルイーゼクライスに、恋心を持ち始めていた。
普通の令嬢ではありえない行動やしぐさ
そして、言動。全てがアルファンス殿下には
魅力と感じ始め 気づいたら好意を寄せていた

それから季節は真夏になって
その頃のルイーゼはと言うと……






「暑い〜 暑いよ〜 マセリー 暑いよ〜 」

ルイーゼはベットの上で両足をばたつかせる

「お嬢様…おやめになられて下さい」
「あ、そうだ!!」

ルイーゼは何か閃いたのか叫び始めた

「とんでもない事お考えになられていませんか」
「いいえ!川遊び!マセリー!」
「何でしょうか、その得体の知れない遊びは」
「夏といえば、川遊び!水よ!」
「……またそんなご令嬢らしからぬ事を」
「この辺りで、水が流れている所はないの?」
「この近辺だとございますが…」
「行きましょう!!マセリー!!!」
「全く………わかりました。」

馬車で水が流れている場所に向かう途中
ルイーゼは、父親にたまたま出会い
馬車を降り、父親の方へ向かうルイーゼ

「やあ、私の姫、ルイーゼ」
「お父様、ごきげんよう」
「ルイーゼは、どこかにお出かけかい?」
「お父様こそ、どこか行かれて居たのですか?」
「ああ。お母様へプレゼントをね」
「そうなんですか、きっと喜ぶわお母様」
「そうかい。だったら嬉しいな」
「では、お父様、行ってきます」
「ああ。気をつけるんだよ」
「マセリー居るから大丈夫ですわ」
「そうだね。マセリー頼んだよ」
「はい、旦那様。お任せ下さいませ」

こうして再び馬車に乗り水の場所へ向かう
すると次は、実の弟 ジュディクライスに会う
再び馬車を止める ルイーゼ

「あら、ジュディどこか行かれるの?」
「姉上!!!姉上こそどこ行かれるのですか」
「私は水のある場所よ!」
「水……ですか?てっきり殿下の所かと」
「どうしてアルファンス殿下の元へ私が?」

何故行くのかと問うとジュディは恥ずかしがり
アルファンスとは、婚約者だからだと答えた。

「婚約者だからと言っていつも一緒に居ないわ」
「姉上はいつも、、殿下と一緒じゃないですか」
「嫌だわ、ジュディもしかして…妬いてるの?」
「そ、、そんな事は無いですよ!ただ、ただ…」
「ただ?」
「姉上はご婚約されてからというもの…
殿下ばかりで相手してくれなくなりました」
「ふふふ…そうだわジュディも一緒に行きましょ」

弟のジュディが妬いていた事がわかり
とても可愛く思えて連れ歩きたくなったのです

「宜しいのですか?姉上の邪魔には…」
「ジュディが私の邪魔になど絶対ありえません」
「っ姉上に着いて行きます!!!」

ジュディは心から喜び引っ付くように
ルイーゼの横に座り着いていくことにした。
ジュディは久しぶりに大好きな姉と一緒に
居れるからかずっとニコニコしている。

「マセリー 急いで参りましょう!!」
「お嬢様…大声を上げるなどおやめ下さい」
「姉上…水なんかに何の御用ですか?」

水がある所へ行くとは言っていたが
何故行くのか気になりルイーゼに問う

「ジュディ……それはね…川遊びよ!!」
「川……遊び…ですか?」
「川遊び!暑い時は凄く気持ちいいのよ!」
「…マセリー 川遊びとは何だ?」
「ジュディ様…私も分かりかねます」

川に着くまでの間姉弟凄まじく 会って
居なかった間の色んな話をジュディは
ルイーゼに話していた。
そうこうしている内に川へ着いた。

「ルイーゼ様、ジュディ様 到着致しました」

馬車の外からマセリーの声が聞こえ
ふたりは馬車から降りることにした。

「えーーーーー!!!!」

川を見てルイーゼは叫んだ

「どうされましたか、ルイーゼ様!!!」

急ぎ足で二人は、ルイーゼの元へ行き

「これが…これが…川なの!?!?!?」
「?……左様でございますが…?」
「姉様?…見渡した限り何も異常は無いと…」

マセリーとジュディには何も変わりがなく
見えているがルイーゼの思っていた川では
なかった為空いた口が塞がらなくなっていた
それは何故かと言うと…川には全くではないが
水が水溜まりくらいの低さしかなく、
川に浸かるなんて事は有り得ないからだ

「あ、いいこと考えたわ!」
「…と言いますと?」

ルイーゼは突然笑顔に変わり
自分の産まれ持った能力を使い始めた。

「お嬢様!おやめ下さい!病み上がりですよ」
「そうだよ、姉上!倒れちゃうよ!」

なぜ二人は止めているかと言うと……
ルイーゼはその場にある川の水の量を
自分の能力で増やし始めているから。
ルイーゼには水を自由自在に操れる能力が
生まれつき備わっていた。しかし
病み上がりというものもあり余り能力を
使いすぎると体に害が及ぶ可能性もある。
広い川に対し10歳の能力等知れたもの。
誰もがそう思っていたが……かなりの出来
人が浸かれる程の高さまで出来上がった。
その後のルイーゼはと言うと…元気だ。
その場に居る誰もが驚いた。

「さ、ジュディ入りましょう?」
「姉上……姉さん!!!!」
「お嬢様!!!!!」

そう。ルイージはその場で倒れたのだった
そりゃそうだ。10歳の子供がそれだけの
能力を使ったんだ。そりゃ倒れて当たり前
マセリーとジュディは急いで馬車に乗せて
クライス家へ戻ったのだ。


「んっ……んん……」

無事に目を覚ましたルイーゼ

「姉さん!!!」
「ジュ……ディ………?」
「僕が居たのにこんな目に…ごめんなさい…」

ジュディは泣きながら目覚めたルイーゼに
謝っていたがその途端部屋のドアが開いた

「ルイーゼーーーー!!!」
「う……お母様……」
「貴方って人はどうしていつもそうなるの!」
「まあまあ 元気になったからいいじゃないか」
「あなた……分かりましたわ」
「ごめんなさい…もう無茶しません。」
「母上…父上…ごめんなさい…」
「?…どうしてジュディが謝るの?」
「ジュディは悪くないよ、大丈夫だよ」
「でも…僕がちゃんと止めていれば……」
「……ジュディ…大丈夫。私が悪かったの」

ルイーゼが倒れた事に
ジュディは自分の責任だと思っていた。
ルイーゼはジュディの元へ行き

「ジュディ?本当にごめんなさい」
「姉さん……」
「貴方は何も悪くないのよ?大丈夫」

泣いているジュディを優しく抱きしめたんだ

「本当は…このまま起きなかったらって…」
「大丈夫よ…ほら?こうして起きたわ」
「姉さん……」
「私ってどうやら…体が頑丈みたいなの」
「ルイーゼ!頑丈ではないのよ!」
「はいっ」

ジュディは母親に怒られるルイーゼを見て
泣き顔から、笑顔になった。
お説教も終わった頃部屋にノック音がし

「カイトお兄様!!!!!」
「ルイーゼ!ジュディ!!!!」

二人を満面な笑顔で強く抱きしめるカイト
そう。ルイーゼのジュディの兄だったのだ。
ふたりの兄の カイト・クライス は
魔法書で働いていてかなりの優等生だ。
イケメンで大らかで優しくてできた男。
そんなカイトは実はブラコン·シスコンなのだ
二人が世界で一番と思っているのだ。

「母上、父上、ただ今戻りました。」
「突然だったのね」
「今日戻るのは突然決まったもので…」
「話を聞かせておくれ」
「はい、父上」
「お帰りなさい、カイト」
「ただいまです、母上」

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